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口は大きく開けるな!歌うときの「口の正しい開け方」とは。

口は大きく開けるな!歌うときの「口の正しい開け方」とは。
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口を大きく開けて!

 

結論から言います、今すぐやめましょう。

 

言われませんでしたか?
滑舌が悪くなるからだの、表情が乏しいだの。。。

でも、あなたはその時こんな風に思っていたはずです。

んな、余計歌いにくいわっ!

 

その感覚はとても大事です。。
歌いにくいというのは余計な力が加わっていることに他なりませんから。

 

つまり、滑舌も表情も声の大きさも
口を大きく開けた所で、なんの効果もございません。。

 

だから、合唱の真似されるときに誇張されるんですよ。
あの鯉の口みたいなみっともない姿。

この記事を読んで、正しい開け方を身につけましょう。笑

口の開け方の間違い

「口を大きく開けろ」は感覚論のみで根拠の無いバカの一つ覚え

学校の合唱の授業だったり、ちょっと歌かじっている人とかがよく言います。
あぁ、あと吹奏楽部の人とか。。

お前ら分かってるの?
という話です。

ちょっと音符が読めるくらいで偉そうに言ってくるヤツの言うことは
信じないようにしましょう。
音符が読めることと歌が歌えること、まして教えることは全く別の能力です。

 

口の開け方はほどほどに、あごが外れるようなのはダメ

もちろん歌を歌うわけなので、口は開ける必要があります。
ただ、不必要に大きく開ける必要はないという。

 

恐ろしい教えがこちらです。
「あごの付け根がカクンとなって、指が入るくらい口を開けて」

イメージとしてはこんな感じ。。

口を大きく開ける
(http://plaza.umin.ac.jp/~oralsurg/disease_02.html)

いや、いいですよ。
あご外したい物好きならどうぞ続けて下さい

 

これ、東大医学部のHPの顎関節症のページの画像ですよ?

口の正しい開け方は、口を開けるのではなく、口の中を広く開ける

まあふつうに考えて、あごが外れそうなくらい開けてたら
歌うペースに追っ付かないのは普通に考えてわかりますよね。

ゆっくり開けなきゃあんなに開きませんもん。

じゃあ正しい開け方はどういう口の開け方なのか。
そのあたりを書いていきましょう。

声はどこで作られるのか。。

声楽において大事なのは響いた声で歌うこと。
響いた声を発するためには、響かせないといけない。
そして、響きが生まれるためには空間が必要。

 

だから意識して共鳴する空間を作っていく
この作業が発声の基礎概念と言っていいでしょう。

 

で、その空間というのがどこにあるかというと。
①鼻の中
②口の中
③喉の奥

声楽 口の開け方

このそれぞれで鳴り響いて出てきたものが「声」なんです。

で、この「②口の中」というのが厄介。
上の図でわかるように空間が極めて狭いんですよ。
だからこの空間を広くするだけでかなり響きそうだと思いません?
そうなんです、だからここを開けばいいんです。

舌が塞いでいる!でも口を大きくあけても舌の位置は変わらない

口の中の空間を広くしたい。
でもここで悪さをするのが、舌の存在なんです。

 

舌というのは意外と大きい。

 

こやつが空気の通り道を塞いでしまう訳でありんす。
逆に言えば舌の位置が下がれば空間が出来そうですよね。
でもでもそうは問屋が卸さない。
口を大きく開けてみたところで、実は舌の位置はそんな変わらないんです。

 

口を開けるという行為は一般的に下あごが下に動きます。
しかし、下あごを大きく開いたところでそんなに口の中の空間は広がりません。
声を響かせるために、口の中の空間を広げるのに、大きく開けても変わらないならば
それってやる必要ないですよね?

どちらかと言えば、上あごを上げる感覚と舌を下げる感覚

上あごをポカーンと開ける。
これだけで舌が下がるし、口の中の空間が広がります。。

 

これはもう意識するだけでいいんです。
電車のなかで、口開けて寝てる人いるじゃないですか?
頭のけぞりながら。。
あの感じです。笑

 

ちょっと手順を言いましょうか。
①口をとにかく脱力する。
②ぼーっとする。(このとき軽く口が開いている感じ)
③そのまま目線を上げていく
④口が開いていく感覚をつかむ
⑤上を見るように、頭を後ろに少し傾けてみる

これです。
脱力して、下あごが動かないようにするだけです。
(下あごを手で押さえてもいいでしょう。)

このままではちょっとはしたないので、
その状態から下あごが突き出ないように、正常の位置にリラックスしたまま戻す。

これで声を出すだけでも、声楽っぽい「よく鳴った声」が出るようになります。

 

そうなんです。
その程度のことなんです。
胸を張って、なんとなく視線を上げるだけで十分なんです。

 

〜閑話休題〜

ちょっと話がそれますが、声色というのは実は口の中の空間で生まれています。
声というのは声帯が震えて作られるのですが、実はその時点ではみんな似たような音が鳴っているんですね。

でもその振動で震えた空気が口から出てくるまでの間に、
口の中で反響したり舌の動きやらで音程や音色が生まれているんです。

 

人それぞれ口の中の形や頭蓋骨が違うので、
音色に個体差が出てくる訳なんです。

 

顔が似ていると声が似ているなんてことがありますが、
至極当然なんですよ。
(骨格が同じであれば、響き方も近いですからね。だから親子の声が似ると。)

終わりに

歌、とくに声楽というのはどれだけ楽をするかなんです。

いかに楽に、
いかに効率的に、
いかに遠くに声を届けるのか。

それを突き詰めてった末に生まれた省エネ歌唱法なんです。

要領が良いと言えばそうですが、
「楽をしてエネルギッシュに聞こえる声」を歌おうとしているわけです。

怠惰の極みです。笑

これが声楽の奥義です。

でも、こういう原理原則が分かっているかいないかは大きな違い
とすれば、力んだり、不自然な動きをすることはありえないんですね。

 

だからオペラの世界では
おばさんがいつまでもお姫様の役が出来るし、
おじいさんが王子様とかを演じられちゃったりするんです。

 

逆に言えば、運動能力とか筋肉量が落ちても
いつまでも歌える歌い方が、「正しい発声」と言えるんですね。

 

ということで、その事例を紹介して終わりにしましょう。
たまげますよ。背中曲がった爺ちゃんでも歌えるんです。

94歳くらいのおじいちゃんですよ。
思わず笑ってしまいませんか?
(私の先生の師匠にあたる方なんで悪く言えないのですが)

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