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なぜ歌うときに腹式呼吸が大事なのか。意外と知らないその理由

なぜ歌うときに腹式呼吸が大事なのか。意外と知らないその理由
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腹式呼吸は忘れよう。でも呼吸は大事です。

あなたはこんな勘違いをしてませんか?

  • 腹に力を込めて歌えば高音が出るようになる。
  • 歌を歌うには腹式呼吸をマスターせねばいけない。

これらはよくある歌の上達に関する勘違いのひとつです。
でもその理由が何なのかあなたは知っていますか?
歌を習うと、やれ腹式呼吸だの腹から声を出すなど言いますよね。でも、その理由を言ってくれたひとっていなかったと思います。

だからもしこんなこと言っている先生がいたらウサンクサイと思って下さい。

大事なことなのでもう一度言います。


もしこんなこと言っている先生がいたらウサンクサイと思って下さい。
(最近は音楽の先生までこんなことを言うので始末が悪いです。)

とはいえ、

それでもやっぱり呼吸はとても大切なのは確かなんです。

特に…

呼気は大事。何故なら音は空気の振動だから。

歌 呼吸

(出典:http://www.titlealt.com/2014/01/blog-post_9.html)

音というのは空気の振動です。理科とかで習ったかと思います。
声というのは、いわば「音として振動した空気の塊」が送り出されている状態。
すなわち、そもそも空気を振動させなければ音は生まれない、つまり声にならない訳です。
ということは、その前提として振動させるべき空気を送り込まければならないということになるです。 この「空気を送る」というのが、「呼吸(呼気)」に当たる訳であります。

つまり、音声学的にいっても呼吸が全ての始まりであり、最重要ポイントであると。

理屈としては分かりましたか?

で、先程の話に戻ります。
お腹に力を入れて、息が多く吐けますか?
喉も閉まっちゃって、「ウッ」となりません? おまけに肩にも力が…
いずれにせよ、空気の塊=音の玉が遠くに飛ばせなそうですよね。 それじゃとてももったいない。つまりそれは、聞いている人のとこまで声が届いていないことと同義だからです。

大切なのは空気を安定して供給すること

ホースをイメージしてください。
水をまく時に使うあのホースです。

蛇口をひねってホースから水を出します、ドポドポドポっと水が出てきますね。

そのホースで水を遠くに飛ばしたい時、みなさんどうしますか?
ホースの先をすぼめて水の勢い強くしませんか?

しますよね。
イメージとしては歌もホースと同じなんです。

ご存知の通り、声と言うのは喉を通じて出ます。
喉の中にある声帯で声は作られます。

喉の中に弁のように存在する声帯。その声帯が息で震えることで声になるんです。

で、先ほどのホースもこれと一緒なんですね。
水を遠くに飛ばしたいと思ったとき、水の量を増やすのではなく、ホースの先をすぼめますよね。

ホースから出る水が声であり、水道から流れる水は息だと思って下さい。

このとき水の量は安定してますよね?
蛇口をひねくり回して水の量を変えてしまったら、水の飛ぶ距離が変わってしまいます。

大切なのは水を止めずに送り続けること。

原理から言えばこれと一緒で、歌うときも息を送り続けることがポイントになるんです。

だから「吸う」より「吐く」が重要
そして安定して息を吐き続けるのに合理的なのが腹式呼吸である

声を送り届けるためには息が必要。そしてそれを遠くに届けるためには安定した息の供給が必要。だから息を吐くことが大事。

こういうプロセスです。

で、その息を吐くということに最も適しているのが横隔膜を使う「腹式呼吸」なんです。

ゆえに歌には腹式呼吸が適している。という理屈な訳です。

「歌を届ける、声を届ける」という【目的】があって「腹式呼吸」という【手段】があるだけなんです。

なのにこの手段であるはずの「腹式呼吸」を神格化しすぎてる節はあります。

別に腹式呼吸でなければ歌ではないというわけでもありませんし、
腹式呼吸以外が間違っているわけでもありません。

こういった原理原則や目的を分かっていないと、効果が薄いです。
歌の場合は特に「頭で理解すること」と「身体で体得すること」の両輪が大切なんです。

なので「腹式呼吸」という文字面にとらわれないでください
腹式呼吸が出来る出来ないはさほど気にすることではなく、

「歌をちゃんと人に届けたいな」

→「声を届かせるためには息が大事なんだな」

→「遠くまでするどく飛ばすには息を安定して吐く必要があるんだな」

→「よし、じゃあ呼吸の練習をしよう」

というような心づもりでいたほうが上達も早いかと思います。

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